英検準1級は、多くの受験生にとって大きな挑戦ですが、適切な時間配分とスキル別トレーニングを行うことで、効率的に合格への道を進むことができます。この記事では、プロの視点から、試験に向けた効果的な学習方法を徹底的に解説します。時間管理とトレーニング方法に焦点を当て、あなたの合格をサポートします。
時間配分の具体例|自分に合った戦略を立てよう
英検準1級において、効率的な時間配分は合格への鍵となります。受験生それぞれに得意なスキルがあるため、リーディングやライティングにおける時間配分は異なります。以下では、長文読解が得意な場合とライティングが得意な場合の2パターンを想定した具体的な時間配分の例を示します。自身の強みに応じて最適な配分を選び、事前に模試などで実践しながら調整してみてください。
パターン1|長文読解が速い人の時間配分
リーディングに自信がある方は、長文読解を手際よく解く一方で、ライティングの時間をしっかりと確保することがポイントです。このパターンでは、長文問題の理解力を活かしつつ、他のセクションの時間も無駄なく活用します。
パターン2|ライティングが速い人の時間配分
ライティングが得意な方は、意見論述や要約問題で高得点が狙えるので、自分自身が理想とするライティング時間をしっかりと確保するのが重要です。このパターンでは、リーディングで分からない問題があってもあまり時間をかけすぎず、迅速に進めていくのがカギとなります。
以下の表では、リーディング、ライティングにおける具体的な時間配分の目安を示しています。各自の得意分野や弱点に合わせて、この表を参考に自分なりの時間配分を模索してみてください。
試験時間配分(リスニングを除く筆記90分)
※あくまでも目安で個人差があることをご了承ください
セクション | 問題内容 | 問題数 | パターン1 長文が速い | パターン2 英作文が速い |
---|---|---|---|---|
リーディング | 語彙問題 (1~18番) | 18問 | 1問 1分 (計18分) | 1問 1分強 (計19分) |
穴埋め問題 (19~24番) | 6問 | 1問 1分30秒 (計9分) | 1問 2分弱 (計11分) | |
長文読解問題 (25~31番) | 7問 | 1問 2分半程度 (計18分) | 1問 3分強 (約25分) | |
ライティング | 英文要約 | 1問 | 20分 | 15分 |
英作文 | 1問 | 25分 | 20分 | |
合計 | 90分 | 90分 |
時間配分の詳細
パターン1(長文が速い人)
長文読解を解くスピードが速い人は、ライティングにしっかりと時間を確保しましょう。
※あくまでも目安で個人差があることをご了承ください
- リーディングに合計45分を割り当てています。
- 語彙問題:1問1分(計18分)
- 穴埋め問題:1問1分30秒(計9分)
- 長文読解:1問2分半程度(計18分)
- ライティングに合計45分を割り当てています。
- 英文要約:20分
- 英作文:25分
パターン2(英作文が速い人)
英作文が速く書ける人は「ライティングに絶対必要な時間」を確保した上で、リーディングを丁寧に解きましょう。
※あくまでも目安で個人差があることをご了承ください
- リーディングに合計55分を割り当てています。
- 語彙問題:1問1分強(計19分)
- 穴埋め問題:1問2分弱(計11分)
- 長文読解:1問3分強(計約25分)
- ライティングに合計35分を割り当てています。
- 英文要約:15分
- 英作文:20分
英検準1級試験の時間配分の重要性
英検準1級の試験構成
英検準1級の試験は、リーディング、リスニング、ライティング、スピーキングの4技能で構成されていて、それぞれの技能でバランスよく得点を取ることが求められます。
つまり、リーディング&ライティングに割り当てられた90分で、一番効果の出せる時間配分を確立することが重要です。
試験時間:筆記(90分)/リスニング(約30分)
リーディング
- 短文の語句空所補充:18問 – 4択選択式(選択肢印刷)
- 長文の語句空所補充:6問 – 4択選択式
- 説明文や評論文などからのパッセージで、文脈に合った語句を選択する問題です。空所に適切な語句を補い、文全体の意味が成立するようにする必要があります。高度な語彙力と文脈を読む力が求められます。
- 長文の内容一致選択:7問 – 4択選択式
- パッセージの内容に関する質問に答える形式です。パッセージの詳細な内容を把握し、設問に対して最も適切な選択肢を選ぶ力が必要です。速読力と論理的な理解力が重要です。
ライティング
- 英文要約問題:1問 – 記述式
- 説明文などの文章を英語で要約する問題です。約60~70語で、元の文章の重要なポイントを簡潔にまとめる能力が試されます。論理的な思考と表現力が求められます。
- 英作文(意見論述):1問 – 記述式
- 与えられたトピックに対して、自分の意見を120~150語で述べる問題です。イントロダクション、メインボディ、結論の構成で、2つのポイントを使って論理的に意見を展開することが求められます。
リスニング
- 会話の内容一致選択:12問 – 4択選択式
- 2人の登場人物の会話を聞き、その内容に関する質問に答えます。問題ごとに1つの会話が流れ、日常的な会話や一般的な状況がテーマとなります。答えは会話の重要な部分に基づいて選択します。
- 文の内容一致選択:12問 – 4択選択式
- 説明文やナレーションのパッセージを聞き、その内容に基づいた質問に答えます。テーマは科学、歴史、日常のトピックなどが含まれ、詳細な内容理解が求められます。
- Real-Life形式の内容一致選択:5問 – 4択選択式
- 実生活のシチュエーションを再現した音声を聞き、アナウンスや交通情報、レストランでの会話などに基づいた質問に答えます。状況に応じた判断力や即応力が問われます。
時間配分の重要性と計画の立て方
試験中の時間配分は合否に直結します。たとえば、リーディングセクションでは90分以内にすべての問題を解答する必要があり、各問題にかける時間を決めておくことが重要です。事前に模試を行い、どのセクションにどれだけの時間が必要か確認しておくことが有効です。
リーディング対策|効率的に問題を解くコツ
読解力を鍛えるための教材選び
リーディングセクションは、長文読解力が鍵となります。英検準1級レベルの長文は高度な語彙力や文法力が求められるため、日頃から英字新聞や英語の学術論文に触れることが大切です。定期的な読解練習がリーディングスピードを向上させます。
個人的には、以下、旺文社の「文単」がお手頃だと思います。
長文問題を素早く解くテクニック
リーディングでは「スキミング」や「スキャニング」といったテクニックを使い、短時間で要点をつかむ練習をしましょう。スキミングは文章全体の流れをつかむため、スキャニングは特定の情報を素早く探すために有効です。
スキミングとスキャニングの磨き方
1. スキミングを磨く方法
スキミングは、文章全体の概要や流れを素早く把握するためのテクニックです。
1.1 見出しや段落冒頭文に注目する
- 文章の見出しや段落の最初の1~2行は、内容を要約することが多いです。
- 練習として、新聞記事やエッセイなどを使い、各段落の冒頭文を読み、その段落の内容を要約する練習をしましょう。
- この方法で、文章全体の大まかな内容を素早く理解する能力を高められます。
1.2 時間制限を設けて練習する
- 制限時間内に文章を読み、大まかな内容を把握する練習をします。
- 例えば、1~2分で新聞記事の一部を読んで、内容を要約するという練習を繰り返すことで、スキミングスキルが向上します。
1.3 段落ごとの要点を素早く見つける練習
- 段落の中で最も重要な部分を短時間で見つける練習をします。重要な単語やフレーズに注目し、具体的な事実よりも意見や結論に焦点を当てるのがポイントです。
2. スキャニングを磨く方法
スキャニングは、文章の中から特定の情報を素早く見つけるためのテクニックです。次の方法を実践して、スキャニングスキルを向上させましょう。
2.1 キーワードを事前に予測する
- 課題や質問文を先に読み、どんな情報を探すべきかを明確にします。
- 例えば、数字や日付、特定の人物や場所の名前など、明確なキーワードを探す練習を行います。
2.2 キーワードを視覚的に素早く捉える練習
- 練習として、リストや表を使って、特定の情報を素早く探す練習をします。
- 例えば、商品の価格表から特定の価格を素早く見つける、あるいは文章の中で特定の単語やフレーズを探し出すような課題を設定します。
2.3 文章全体を目で追う速度を速める練習
- 文章を流し読みしながら、目で情報を「スキャン」する練習を行います。
- 練習として、複雑な文章の中で特定の単語を素早く見つけるゲームやアクティビティを取り入れると効果的です。
3. スキミングとスキャニングを組み合わせた練習
- スキミングで全体の概要を把握した後に、スキャニングを使って特定の情報を探す練習を行います。
- 例えば、長めの英字記事や試験問題を使用して、最初にスキミングを行い内容をざっくり把握し、その後にスキャニングで具体的な質問に対する答えを素早く探すという方法です。
4. 練習に適した教材の例
- 新聞記事や雑誌記事:異なるトピックの記事を選び、スキミングとスキャニングの練習に使用します。
- 英検の過去問:過去問を使って時間制限付きで練習することで、試験形式にも慣れることができます。
リスニング対策|リスニング力を飛躍的に向上させる方法
英語のニュースやポッドキャストを活用する
リスニングは、日常的に英語を聞く環境を作ることで飛躍的に向上します。英語のニュース、ポッドキャスト、YouTubeチャンネルを利用して、異なるアクセントや話し方に慣れることが大切です。特に、ネイティブのスピーチに頻繁に触れることで、リスニング力が向上します。
※特に英検準1級レベルでは、過去問のみでリスニング対策をしても得点が取れない、というケースをよくみかけます。過去問以外の「活きた英語」に触れることを意識しましょう。
ライティング対策|高得点を狙うための書き方
ライティングの基本構成を理解する
ライティングセクションでは、論理的な構成と明確な表現が求められます。イントロダクション、ボディ、結論の3つのパートに分けて書くことが基本です。特に、問題で与えられたトピックに対して、自分の立場を明確にし、サポートする理由を論理的に展開することが重要です。
語彙力と文法力を向上させる練習方法
高得点を取るためには、語彙力と文法力の強化が不可欠です。日頃から時事問題に関するエッセイを書き、使用する語彙や表現を豊かにしていきましょう。また、英検の過去問を使った練習も効果的です。
2024年リニューアル内容対応。
英検準1級のライティング問題で高得点を取るための対策本です。
2種類のライティング問題(意見論述・長文要約)をフルカバー
1トピック30分完結で取り組みやすい・続けやすい
意見論述問題で使える定番の型
出題分野・トピック別使える表現とコツ
英作文ロジックが自然に身に付く
イラスト解説で印象に残る
スピーキング対策|自信を持って話すためのトレーニング
模擬面接で練習を重ねる
スピーキングでは、模擬面接形式での練習が有効です。オンラインでのスピーキングパートナーを見つけるか、英会話スクールで模擬面接を体験することで、実際の試験に備えることができます。話す内容を事前に準備し、時間内にまとめる力を養いましょう。
二次試験(面接)
本番形式問題カードでスピーキングの反射神経を身に付けましょう
- 問題カード01:動物園
- 問題カード02:AIとビジネス
- 問題カード03:在宅勤務
- 問題カード04:環境保護
- 問題カード05:介護ロボ
- 問題カード06:町おこし花火
- 問題カード07:近所の犬
- 問題カード08: 乗車マナー
- 問題カード09: パン屋のSDGs
- 問題カード10: カロリー表示
- 問題カード11: 小学生とSNS
- 問題カード12: 塾の送迎
- 問題カード13: 若者の転職
- 問題カード14: 日本で落とし物
- 問題カード15: 農業とIT活用
- 問題カード16: キャンプと虫
- 問題カード17: SNSトラブル
- 問題カード18: 観光客とマナー
- 問題カード19: 避難訓練
- 問題カード20: AIとアート
- 問題カード21: カフェ運営
- 問題カード22: 定年退職後
- 問題カード23: 思い出の保存
- 問題カード24: 会議に遅刻
スピーキングセクションでの即興対応力を高める
試験では、想定外の質問に対して即興で対応する能力も問われます。そのため、日常生活で英語を使って考える習慣をつけ、即興での会話力を鍛えることが重要です。英語で日記を書くなどの練習も効果的です。
まとめ
英検準1級に合格するためには、時間配分とスキル別のトレーニングが非常に重要です。リーディング、リスニング、ライティング、スピーキングの各セクションでの対策をバランスよく行い、適切な時間配分を意識して学習を進めましょう。過去問を繰り返し練習し、弱点を見つけて補強していくことで、合格への道が開けます。
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