一次試験スコアの「3分の1」を占めるライティング
ライティング 満点スコア (通常の英検) | ライティング 満点スコア (英検CSE) | 筆記試験時間 (ライティング時間目安) | 文字数 | |
3級 | 16点 | 550点 | 50分(約15分~20分) | 25〜35語 |
準2級 | 16点 | 600点 | 75分(約20分~30分) | 50〜60語 |
2級 | 16点 | 650点 | 85分(約25分~30分) | 80〜100語 |
準1級 | 16点 | 750点 | 90分 (約25分~30分) | 120〜150語 |
1級 | 32点 | 850点 | 100分 (約25分~30分) | 200〜240語 |

全体的にここが評価されている
?内容:課題で求められている内容が含まれているか?構成:英文の構成や流れが分かりやすく論理的であるか?語い:課題に相応しい語いを正しく使えているか?文法:文法的に正しい英文が書けているか
?内容のアドバイス: まず意識したいのは、「ポイントがずれていないかどうか」です。質問内容からズレた解答だと、いくら良い文章でも「ゼロ点」になりますよ?
また自分の意見を述べる際に、「好きだから」「とても良いから」的な解答では低評価です。具体的な説明や例が盛り込めるといいですね。
?構成のアドバイス: 「自分はこの観点で書く」と最初に決めたら、「全体の流れ」を意識しながら、首尾一貫した論理展開を心がけましょう。接続詞なども効果的に使える様に。
?語彙のアドバイス: 各級毎に、「出題される分野・トピック」などの傾向があります(後述)ので、分野ごとの「語彙と表現の引き出し」を増やしておきましょう。
また、「同じ語彙の繰り返し」はなるべく避け、「違う言葉で表現する」のも効果的です。
語彙を丸暗記するだけではなく、「実際に文章にする・実際に誰かに話してみる・話した内容をスマホに録音して聞いてみる」トレーニングが必須です。
?文法のアドバイス:「can」を使った文章ばかりではなく、「動名詞」を主語にしたり(無生物主語)、級毎に高得点が狙いやすい「構文」を使うなど、「読み手を飽きさせない」文章を意識しましょう。
質問される分野・トピック
3級の頻出トピック
レジャー(趣味や休みの日の過ごし方、夏休み、読書・映画等)、スポーツ(好きなスポーツ・部活等)、旅行(行きたい国や都市、交通手段)、学校(宿題、制服、給食等)、生活(お手伝い、朝ごはん、健康等)、好み(好きな季節、どちらが好き等)、IT系(スマホ、パソコン、オンラインショッピング等)、仕事(将来の夢等)
準2級の頻出トピック
面接でも、ほぼ同じ内容が出題される!
場面・状況 | 家庭、学校、地域(各種店舗・公共施設を含む) |
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話題 | 学校、趣味、旅行、買い物、スポーツ、映画、音楽、食事、天気、 海外の文化、教育、科学、自然・環境など |
上記トピックについて「~すべきかどうか」「~は良い考えと思うか」という形式で出題され、それに対して「自分の見解とその理由2つ」を論理的・具体的に述べる力が求められます。
例えば「音楽を聞きながらスポーツをするのは、良い考えと思うか?」「外食よりも自炊するべきだと思うか?」というような感じです。
シンプルな質問ですが、「どの観点から書くのか」をしっかり決めてから書かないと、ふわふわした内容になりやすいので、日ごろから「観点と理由付け」を意識しないといけないですね。
2級の頻出トピック
面接でも、ほぼ同じ内容が出題される!
場面・状況 | 家庭、学校、職場、地域(各種店舗・公共施設を含む) |
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話題 | 学校、仕事、趣味、旅行、買い物、スポーツ、映画、音楽、食事、天気、海外の文化、教育、科学、自然・環境、テクノロジー、ビジネスなど |
「レストランやスーパーでの食料廃棄を減らすべきだという人がいますが、あなたはこの意見に賛成ですか?(2021年度第1回)」「もっと多くのアパートで、犬や猫の様なペットを許可するべきだという人がいますが、あなたはこの意見に賛成ですか?(2020年度第3回)」のように、それぞれの話題をミックスした内容で出題されます。
まずは自分の立場(賛成なのか反対なのか)を決めたら、それを裏付ける「観点と根拠」をしっかり決めて、論理的かつ具体的にボディを構成していきます。
準1級の頻出トピック
ニュースを見て、見解を述べるトレーニングが必須!
場面・状況 | 家庭、学校、職場、地域(各種店舗・公共施設を含む)、講義など |
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話題 | 社会生活一般、芸術、文化、歴史、教育、科学、自然・環境、医療、テクノロジー、ビジネス、政治(公共政策)など |
「賛成 or 反対:大企業は社会に良い影響を与えている(2021年第1回)」「賛成 or 反対:将来、より多くの人が菜食主義になるべきだ(2020年第3回)」「賛成 or 反対: 治安を改善するため、もっと措置を講じるべきだ(2020年第2回)」など、日ごろあまり意識しないトピックから出題される事が多いです。
逆に、ふだんから、ニュースをよく見ていて、自分なりの意見を持っている人には有利なトピックとなりますね。
まずは、ここ数回の準1級の過去問とサンプル解答を熟読し、「どの程度の難易度なのか」を把握しておきましょう。
準1級ライティングで満点を取るためには、少なくとも30本程度は、「賛成・反対、両方の意見で書いてみる」トレーニングが必要です。
問題に対して「どちらの立場で書いたら説得力のあるエッセイが書けるのか」という、「エッセイ感覚」が身につくまで、何度も何度も練習しましょう。
1級の頻出トピック
ニュースを見て、見解を述べるトレーニングが必須!
場面・状況 | 家庭、学校、職場、地域(各種店舗・公共施設を含む)など |
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話題 | 社会生活一般、芸術、文化、歴史、教育、科学、自然・環境、医療、テクノロジー、ビジネス、政治など |
「経済制裁は有用な外交政策ツールですか?(2021年第1回)」「賛成 or 反対: グローバリゼーションは、今日の世界においてポジティヴなエネルギーとなっている(2020年第3回)」「賛成 or 反対: 世界的な人口過多は、人類の未来にとって深刻な脅威だ(2020年第2回)」など、ぼんやりとニュースを見ているだけでは、答えられない問題となっています。
また、トピックも多岐に渡り、相当な練習量が必要(最低でも50本)となってきますので、「日々、ニュースを見て見解を英語でまとめる」ぐらいのトレーニングをしたいところですね。
ライティング学習方法
?その1:「過去問のお題とサンプル解答を読んで難易度を把握」したら、実際に、同じお題に対して自分なりに書いてみる。 初めての時は、何を書いていいか分からず、頭が真っ白になり、ペンが止まる人も多いですが、「とりあえず文字を埋める」感覚で、間違いを気にせず書いてみる
?その2: ライティングの雰囲気がつかめたら「分野別に語彙・フレーズ・構文」の引き出しを増やす。 色々なトピックのお題に取り組みながら、「このお題が出たら、これが使える」という自分なりの定番表現を増やしていきます。「ライティングノートの作り方」はコチラです。
?その3: ライティングノートを、添削してもらう。尚、練習初期は「何が言いたいのか」が伝わるかどうか、を中心に添削してもらい、あまり細かいエラーを気にしない事です。「結局何が言いたいねん」と思いながら書き進めるといいですよ。
?その4: 添削してもらった内容について、講師とディスカッションし、「語彙や表現を定着」させる。この時に、かならずメモを取り、自分の「表現の引き出し」に格納しましょう! 本試験で使えるのは、「実際に使ったことのある表現」です。
学習方法としては、まず「一夜漬けは通用しない」という事を念頭におき、少なくとも週に3本程度はエッセイを書くつもりで「英作文練習ノート」を作りましょう。
また、「書きっぱなし」にせず、「添削&ディスカッション」も必須です。
英検ライティングのトピックは、面接でも同じような内容が出題されますので、そのトピックについて、「英語で自分の意見を述べることができる」準備をしておいてください。
個人的には、英検の中でも「ライティング&面接」が最も刺激的で意味のあるトレーニングだと考えています。時事問題に強くなり、観点を養い、論理的に表現する力が試さるのは、「英単語を丸暗記できる」能力よりも価値があるような気がします。
退屈な「丸暗記のステージ」だけでは、英語嫌いになってしまいますよね。「なんのために英語を学習しているのか」を常に意識しながら、「発信力」を徹底的に磨き、ディスカッションで論破できるくらいになるのが理想的ですよね!