はじめに
近年、「英検®S-CBT」という新しい形式の試験が導入され、従来の紙ベースの試験と並行して実施されています。本記事では、従来の英検と「英検®S-CBT」の違い、およびそれぞれの対策方法について詳しく解説します。
従来の英検とは
試験形式
従来の英検は、紙ベースの試験で、筆記試験とリスニング試験、そして一部の級ではスピーキング試験があります。試験は全国各地の指定された試験会場で行われます。
主な特徴:
- 筆記試験: 語彙、文法、読解問題
- リスニング試験: 短い会話や長めの対話の理解
- スピーキング試験: 一次試験合格者のみ対象(3級以上)
対策方法
従来の英検対策は、過去問を利用した練習が効果的です。以下に具体的な対策方法を示します。
具体例:
- 過去問の活用: 英検公式サイトや書店で販売されている過去問集を使用し、実際の試験形式に慣れる。
- リスニング練習: 英検リスニングCDを利用し、試験形式に合わせた練習を行う。
- スピーキング対策: 英検のスピーキングテストの模擬問題を使い、実際の試験に近い形で練習する。
英検®S-CBTとは
試験形式
「英検®S-CBT」は、コンピュータを利用した試験形式で、すべての試験がデジタル形式で行われます。試験は全国の指定されたテストセンターで実施されます。
主な特徴:
- コンピュータベース: 筆記、リスニング、スピーキングの全てをコンピュータで受験
- 柔軟な日程: 従来の試験よりも多くの日程から選択可能
- 即時フィードバック: 一部の結果が迅速に確認可能
対策方法
英検®S-CBTの対策も、従来の英検と同様に過去問を活用することが基本ですが、コンピュータでの試験形式に慣れることが重要です。
具体例:
- オンライン模擬試験: 英検®S-CBTの形式に合わせたオンライン模擬試験を受け、コンピュータでの操作に慣れる。
- タイピング練習: 筆記試験がコンピュータで行われるため、タイピングスピードを向上させる練習を行う。
- リスニングとスピーキング対策: ヘッドセットを使用してリスニングとスピーキングの練習を行い、実際の試験環境に近い形で準備する。
あなたはどちらがいいですか?
要素 | 従来型英検(ペーパーテスト) | 英検S-CBT(パソコン受験 |
---|---|---|
受験日数 | 2日 (一次試験・二次試験) | 1日 (1日で一次と二次が終わる) |
受験可能級 | 1級~5級(全級) | 準1~3級 |
試験の順番 | <一次> 1.リーディング 2.ライティング 3.リスニング <二次> 4.面接(スピーキング) | 1.面接(スピーキング) 2.リスニング 3.リーディング 4.ライティング |
回答方法 リーディング | 問題: 問題冊子 解答:マークシート | 問題:画面上に表示 解答:クリック |
回答方法 ライティング | 問題: 問題冊子 解答:マークシートのライティング欄に手書き | 問題:画面上に表示 解答:手書き/タイピング |
回答方法 リスニング | 問題:問題冊子 解答:マークシート | 問題:画面上に表示 解答:クリック |
回答方法 スピーキング | 問題:試験官との面接方式 解答:その場で回答する | 問題:パソコンの音源再生 解答:パソコンに録音 |
合否判定 | 5級&4級:1次試験合格で合格 3級~1級:1次試験・2次試験両方の合格 | RWLのスコアで一次試験合否判定をし、 合格の場合はSのスコアでも 二次試験の合否判定を行い両方のスコアが合格基準点を超えていれば合格 |
CSEスコア | 二次試験不合格の場合、 3技能分のみとなる | 一次試験不合格の場合でも、 4技能分のスコアが出る |
受験会場 | 準会場・本会場 | 本会場のみ |
受験回数 | 各回1回のみ | 各回2回まで 原則毎週土日開催 |
1次試験免除 | あり | あり |
従来の英検と英検®S-CBTの比較
試験環境
- 従来の英検: 紙と鉛筆を使った試験。リスニングはスピーカーを通じて実施。
- 英検®S-CBT: コンピュータを使った試験。リスニングはヘッドセットを使用し、スピーキングもコンピュータで行う。
試験日程
- 従来の英検: 年に数回、指定された日程のみ。
- 英検®S-CBT: 柔軟な試験日程が提供され、受験者の都合に合わせやすい。
試験結果
- 従来の英検: 結果は郵送で通知。
- 英検®S-CBT: 一部の結果は迅速にオンラインで確認可能。
参考資料:英検合格基準スコア
以下、英検公式サイトの合格基準スコアです
英検の配点変更について
2015年までは、英検はリーディング重視の配点が特徴でした。しかし、2016年度からは、リーディング、リスニング、ライティングの各技能が均等配点となり、総合的な英語力がより評価されるようになりました。この変更により、英語の「発信力」を磨くことがますます重要になっています。
変更前後の配点比較:
- 2015年度変更前の配点(準1級)
- リーディング:51点
- リスニング:34点
- ライティング:14点
- 2016年度変更後の配点(準1級)
- リーディング:750点
- リスニング:750点
- ライティング:750点
この変更により、全ての技能にバランスよく取り組むことが求められます。
配点変更の影響
配点変更は、受験者にとって次のような影響を及ぼします。
1. 総合力の重要性が増加
リーディング、リスニング、ライティングが均等に評価されるため、特定の技能だけでなく、全ての技能をバランスよく学習する必要があります。これにより、偏りのない総合的な英語力の育成が促進されます。
2. ライティング力の向上
以前は比重が小さかったライティングが均等配点に組み込まれたことで、ライティング能力の重要性が増しました。これにより、発信力を強化する学習が求められ、論理的な表現力やクリティカルシンキングの育成が期待されます。
3. 学習計画の再考
均等配点により、受験者は全ての技能に対して均等に時間を割く必要があります。従来のリーディング重視の学習方法から脱却し、リスニングやライティングにも十分な学習時間を確保することが重要です。
具体例:
- バランスの取れた学習計画: 週ごとの学習スケジュールにリーディング、リスニング、ライティングの時間を均等に配分する。
- ライティング練習の強化: 定期的に英作文を書き、添削を受けることでライティング力を向上させる。
英作文と面接対策教材
オンライン学習対策おススメ教材
日ごろからパソコン操作に慣れながら、英検対策も進めたい、という方にぴったりの教材をご紹介します。
まとめ
従来の英検と「英検®S-CBT」はそれぞれ特徴が異なりますが、どちらも英語力を評価する有効な手段です。自分のライフスタイルや学習環境に合った試験形式を選び、効果的な対策を行うことが重要です。この記事が、皆さんの試験準備に役立つことを願っています。頑張ってください!