英検2級の長文読解は、多くの受験者にとって難関です。しかし、効果的な読み方と練習方法を身につけることで、着実に得点を伸ばすことができます。本記事では、長文読解のコツや効率的な勉強方法を徹底解説し、合格に近づくための戦略を紹介します。
長文読解の基本戦略
英検2級の長文読解では、文章全体に対して複数の質問が出されるスタイルが一般的です。このため、段落ごとに設問を解くことが有効です。文章全体を一気に読んでから解答するのではなく、段落ごとに確認して進めると、理解が深まり、正確な解答ができます。
段落ごとに質問を解く方法
段落を読んだら、その段落に関連する質問をすぐに解くようにします。これにより、情報が頭に新鮮なうちに問題に取り組め、後から混乱するリスクを減らすことができます。特に長文では、前半部分を忘れがちなので、この方法で効率的に対策できます。
Passage (English):
“In England, coffee houses were more than just places to drink coffee. They also served as hubs for social discussion, where people from different walks of life gathered to exchange ideas. Over time, they became important venues for political debate and the spread of new scientific knowledge. Many intellectuals, writers, and scientists frequented these coffee houses, contributing to the flow of revolutionary ideas.”
Question:
Why were coffee houses popular in England?
A. The coffee was delicious.
B. They were places for intellectual discussions.
C. Only the wealthy could use them.
D. Free meals were provided.
Answer:
B. They were places for intellectual discussions.
パッセージ(日本語):
「英国では、コーヒーハウスは単なる飲み物を提供する場所ではありませんでした。さまざまな階層の人々が集まり、意見を交換する社交の場としても機能していました。やがて、コーヒーハウスは政治的討論や新しい科学知識の普及において重要な場所となりました。多くの知識人、作家、科学者がこれらのコーヒーハウスを訪れ、革命的なアイデアの流れを促進しました。」
質問:
コーヒーハウスがイギリスで人気だった理由は何ですか?
A. コーヒーが美味しかったから。
B. 知的な議論の場だったから。
C. 富裕層だけが利用できたから。
D. 無料で食事が提供されたから。
答え:
B. 知的な議論の場だったから。
効率的な読み方と練習方法
一度読んだら戻らない「1回読み」
長文を読むときに、各センテンスを2回読まないことが大切です。何度も読み直すと時間がかかるため、1度で要点を理解する練習をしましょう。特に整った日本語に訳してしまう癖がある場合は、文をそのまま英語の順序のまま理解し、内容をまとめる練習が有効です。
例: I like apples.
キレイな日本語:私はリンゴが好きだ
英語の順序で理解:私は 好きだ りんご
まとまりごとに読む「キレイに訳さない」技術
英語を読む際に、文ごとに訳すのではなく、まとまりごとに意味をつかむことが大切です。きれいに訳そうとするのではなく、まとまりごとに順番に頭に入れることで、英語の構造に慣れ、理解が深まります。
例:Coffee houses also served / as hubs for social discussion, / where people from different walks of life gathered/ to exchange ideas.
キレイに訳す:コーヒーハウスは、さまざまな立場の人々が集まり、意見を交換する社交的な議論の拠点としても機能した
キレイに訳さない:コーヒーハウスはまた機能した/ 社交的な議論の拠点として/ さまざまな立場の人々が集まり/ 意見を交換するために
テキストに反応しながら読む「突っ込み」技術
文章を読み進める際に、心の中で大げさにリアクションをする方法も効果的です。例えば、「国王がコーヒーハウスを閉鎖しようとした」という文を読んだときに、「え?なんでそんなことするの?」と突っ込むような反応をすることで、記憶に残りやすくなり、内容が定着します。お笑い芸人のようにリアクションを大げさにすることで、文章とのインタラクションが深まります。
具体的な裏技まとめ
- 段落ごとに答える:一度に全てを読まずに、段落ごとに設問に答えることで、情報を細かく整理しやすくなります。
- センテンスは一度だけ読む:2回読んでしまうと、時間を無駄に使うので、1度で要点を捉える習慣をつける。
- 突っ込みながら読む:心の中で大げさに反応することで、情報を覚えやすくし、集中力を高めます。
- きれいな日本語訳に整えない:英語のまとまりの順番のまま理解し、直感的に答えられるようにする。
実践練習問題
では最後に、上記4つの裏ワザを使って再度練習問題に取り組んでみましょう
Passage (English):
“The Industrial Revolution, which began in the late 18th century, drastically transformed the social and economic structures of many countries. In Britain, it led to the rapid growth of factories and urbanization. However, while it brought unprecedented economic development, it also caused significant social problems, such as poor working conditions and the exploitation of labor, including child labor. Reformers of the time argued that governments should regulate these new industries to protect workers’ rights and improve living standards.”
Question:
What was one negative consequence of the Industrial Revolution according to the passage?
A. The decline of urban areas.
B. The improvement of working conditions.
C. The exploitation of labor, including children.
D. The reduction of government control over industries.
Answer:
C. The exploitation of labor, including children.
パッセージ(日本語):
「18世紀後半に始まった産業革命は、多くの国の社会や経済構造を劇的に変革しました。イギリスでは、工場の急成長や都市化を引き起こしました。しかし、かつてない経済発展をもたらした一方で、労働条件の悪化や、子どもを含む労働者の搾取といった重大な社会問題も引き起こしました。当時の改革者たちは、政府がこれらの新しい産業を規制し、労働者の権利を守り、生活水準を向上させるべきだと主張しました。」
質問:
パッセージによると、産業革命の一つの悪い結果は何ですか?
A. 都市地域の衰退。
B. 労働条件の改善。
C. 子どもを含む労働者の搾取。
D. 産業に対する政府の規制の減少。
答え:
C. 子どもを含む労働者の搾取。
いかがでしたか?
続いて、他の裏ワザを試してみましょう。
読み終わった行を紙で隠すトレーニング
このトレーニングは、センテンスを一度で理解する習慣をつけるのに役立ちます。以下の手順で実践してみましょう。
- 準備: テキストを用意し、紙やノートの端を使って行を隠せるようにします。
- 1回読む: 文章の1行を読み終わったら、すぐに紙でその行を隠します。読み返すことができなくなるため、一度で理解する集中力が自然と養われます。
- ポイントをメモ: 各行の要点を素早くメモすることで、内容を整理しやすくなります。要点を短くまとめておくことで、後で振り返る際にも役立ちます。
練習の効果
このトレーニングを繰り返すことで、試験本番でセンテンスを1回で捉え、時間を効率的に使えるようになります。また、集中力が高まり、長文読解全体に対する理解度も向上します。日々の練習に取り入れることで、確実にスキルが伸びるでしょう。
この方法を継続して実践すると、英検2級の長文読解でも、時間を節約しながら正確な理解ができるようになります。
長文読解をさらに強化する裏技トレーニング
キーワードスキャン法
長文を読むときに、すべての単語を正確に理解しようとすると時間がかかります。そこで、「キーワードスキャン法」を活用しましょう。この方法では、重要な単語(キーワード)だけを意識的に拾い読みして、文章全体の意味を素早く掴むことが目的です。
実践法:
- 事前準備: 最も重要な単語やフレーズは、主に名詞・動詞・形容詞に集中します。具体的な物事やアクション、状態を示す単語がキーとなります。
- スキャンの実践: 各段落ごとに最も目立つキーワードに注意し、それを基に文章の意味を推測します。
- 要約する: 各段落ごとにキーワードを元に、簡単に要約していきます。
効果: キーワードに集中することで、時間の節約になり、全体の流れをつかむスピードが上がります。英検2級の読解では、細部にこだわりすぎることを避け、要点を掴むことが大切です。
声に出して読んでみる「音読法」
文章を読む際に、心の中だけで読むと内容がぼんやりしてしまうことがあります。そこで、音読を取り入れると、理解が深まりやすくなります。実際に声に出して読むことで、内容を頭に残しやすくなるだけでなく、文章のリズムや構造も自然に捉えやすくなります。
実践法:
- 短い段落で練習: まずは1段落ごとに音読し、ゆっくりと読む練習をします。焦らずに意味を理解しながら声に出しましょう。
- リズムに乗せて読む: 文章のリズムに乗り、強調すべき部分を意識しながら読んでいきます。
- 声に出すことで気づくこと: 声に出すことで、難しい単語や意味の取りづらい部分に気づきやすくなります。
効果: 音読は脳に複数の感覚を刺激し、記憶に定着させる力を強化します。また、スピーキングの練習にもつながり、一石二鳥の学習法です。
逆順で読む「逆行読み法」
このユニークな方法では、文章の最後の段落から逆順に読んでいきます。通常とは異なるアプローチを取ることで、文章の要点や構造を再確認する練習になります。これにより、読解力が一層鍛えられ、文章全体の流れを再度理解し直すことが可能です。
実践法:
- 最後の段落から始める: 文章の最後の段落から順に遡って読みます。それぞれの段落が独立して理解できるかを確認します。
- 再確認のために逆行: 内容が頭に入りやすい段落を探し、その段落が前後にどうつながっているのかをチェックします。
- 文章の構造を把握: 逆行で読むことで、文章の最も重要な部分や流れが確認でき、全体の構造を把握する力がつきます。
効果: 逆順に読むことで、新しい視点から文章を理解でき、重要なポイントを再確認する効果があります。また、試験中に混乱しないための練習にもなります。
時間を計って速読する「タイムトライアル法」
速く読むことを意識して、時間を計りながら読む練習をします。試験では制限時間があるため、速く正確に読む力をつけることが重要です。このトレーニングでは、タイマーをセットして、限られた時間内でどれだけの文章を理解できるかを競います。
実践法:
- タイマーをセット: 1段落または1ページごとにタイマーをセットし、決められた時間内で読み切る練習をします。
- 理解をチェック: 時間内に読み終えた後、その段落の要点をメモします。すぐに内容が思い浮かばなければ、再度挑戦します。
- スピードアップの目標設定: 練習を重ねるたびに少しずつ時間を短縮し、スピードアップを目指します。
効果: 時間を意識することで、速読力が向上し、試験での時間配分がうまくできるようになります。特に、制限時間内で問題を解くためのスピード感を養うために効果的です。
リスニング連動型トレーニングのステップ
1. リーディングとリスニングを並行して行う
まず、長文読解のパッセージを音声を聞きながら読むという習慣をつけましょう。これにより、英語を音として捉えながら、意味を同時に理解できる力が養われます。次の手順で進めます。
- パッセージの音声データを用意します(教材やアプリから取得)。
- 音声を聞きながら、文章を一度目で理解するように心がけ、頭の中で要点をまとめます。
- 最初は音声の速度に合わせて読めなくても大丈夫ですが、続けているとスピードに慣れてきます。
2. シャドーイング(影のように後追いして読む)
リスニング連動型トレーニングの次のステップとして、シャドーイングを行います。シャドーイングとは、音声を聞いた瞬間に、同じ文章を声に出して追いかけて発音するトレーニングです。
- まずは音声を聞き、次にその音声の少し後ろを追うように、自分でも発音します。
- 最初はうまくいかないかもしれませんが、繰り返すことで、リスニングとリーディングの両方のスピードが上がります。
3. ディクテーション(書き取り)
次に、リスニングをさらに強化するためにディクテーションを取り入れます。これは、音声を聞いて書き取る練習です。
- 長文読解パッセージの一部を選び、音声を聞きながら書き取ってみます。
- 正確に書けなかった部分は、リスニングとリーディングの不足している部分なので、そこを重点的に復習しましょう。
- これを行うことで、細かな表現や単語を聞き逃さずに捉える力が身につきます。
4. 聞き取りながらメモを取る
さらにリーディングとリスニングの連動を強化するために、リスニングしながら要点をメモする練習を行います。このトレーニングは、リスニングだけでなく、要点をすばやく理解し整理する力も鍛えられます。
- 音声を聞きながら、頭に浮かんだ内容を要約するようにメモを取ります。
- その後、メモを基に、長文の理解を確認します。
リスニング連動型トレーニングのメリット
- リーディングスピードの向上
音声に合わせて読むことにより、自然と読解スピードが上がります。リスニングで耳が慣れると、文章を読む速度も速くなり、時間制限のある試験において有利です。 - リスニング力の向上
リーディングの内容をリスニングと結びつけることで、文章の構造や表現を耳で理解できるようになります。これは英検2級のリスニングパートにも直結します。 - 語彙と文法の強化
音声で聞くことにより、語彙や文法の使われ方を実際の文章の中で学べます。シャドーイングやディクテーションでは、自分で発音することで記憶が定着しやすくなります。 - 一度で内容を理解する訓練
リスニング連動型のトレーニングを続けると、文章を一度読むだけで理解する力がつきます。これは、限られた時間の中で行う英検の試験では非常に重要です。
練習問題の例
- リーディングパッセージ:「In England, coffee houses were important places not only for drinking coffee but also for exchanging ideas and holding discussions.」
- リスニング内容: パッセージの内容を音声で流し、リスニングを行う。
- 練習方法: 音声に合わせてシャドーイングを行うか、音声を聞いたあとにメモを取り、内容をまとめる。
このトレーニング法を取り入れることで、英検2級の長文読解問題に強くなるだけでなく、リスニングや全体的な英語力もバランスよく伸ばせるでしょう。
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